【12月8日 AFP】シリア北東部ハン(Al-Khan)村で7日、米国主導の有志国連合が実施したとみられる空爆により、一般市民少なくとも26人が死亡した。有志国連合に対しては、別の空爆によりシリア政府軍の兵士が死亡したとの疑惑が浮上したばかりで、今回の空爆によってさらに圧力が高まっている。

 連合軍はシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する空爆を実施しているが、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、今回の空爆で死亡したのは市民だけだったという。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、ISは同村を支配してはいるものの、拠点としているのは村の郊外であり、「そのため死亡したのは市民だけだった」と語っている。

 死者には、少なくとも子ども7人と女性4人が含まれており、さらに10人以上がまだがれきの下にいるため、死者数は増える可能性がある。

 シリアではこの空爆の前日には、連合軍による空爆で初めてシリア兵が死亡したとの疑惑が浮上し、有志国連合に対する圧力はすでに高まっていた。ただ、連合軍側は、伝えられている場所で空爆は実施していないとして、この疑惑を否定している。

 米国は先月、イラクで実施した対IS空爆作戦で市民4人が死亡した可能性が高いと発表。また、2014年11月には、シリアでの空爆で子ども2人を誤って死亡させたことを認めている。(c)AFP/Maya Gebeily