【12月5日 AFP】イタリア沿岸警備隊は4日、リビア沖で11回に及ぶ救助作戦を海軍と共同で実施し、ゴムボート10隻と漁船1隻から移民1500人以上を救出したと発表した。地中海で救助された移民の数は、過去36時間で3500人を超えた。

 地中海ではこのところ悪天候が続き、救助される移民の数は10日間で約400人と、夏場の1日当たり760人と比較して大幅に減少していた。しかし、悪天候が小康状態となったことから渡航を試みる移民が急増。3日には、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」の船1隻や欧州連合(EU)の船2隻も出動し、約2000人の移民が救助された。

 国際移住機関(IOM)が11月下旬に発表した推計では、今年に入って欧州に上陸した移民は約86万人。うち3500人以上が地中海航海の際に死亡したとみられている。

 国連(UN)によると、11月は悪天候に加え、トルコがエーゲ海経由でギリシャに移民を送る密航業者の取り締まりを強化したことで、欧州を目指して地中海を渡る移民数は先月比で3分の1以上減少していた。(c)AFP