【12月4日 AFP】バルト海(Baltic Sea)に面し、欧州で最も緑豊かな都市の一つと考えられているフィンランドの首都ヘルシンキ(Helsinki)──。この都市では現在、2050年までに自動車を「不要なもの」にするための計画が練られている。

 人口60万人余りのヘルシンキでは、公園やきれいな空気が市民らの誇りとなっており、事実、オープンスペースの47%は緑地とされる。ヘルシンキの都市計画当局は今後、市内の自動車の数を減らして二酸化炭素排出量を削減し、空気がよりきれいな都市の実現を目指している。

 計画によって自動車が禁止されることはないが、市当局は、自動車を「利用したくなくなる」ような施策を打ち出す予定だという。当局は新たな公共交通機関や徒歩圏内の各種施設および緑地の整備、駐車料金の引き上げなどを例に挙げた。

 この計画では、店舗や学校、各種サービスが徒歩圏内に集約されるため、市民らにとって車は不要になる。また地下鉄や路面電車などの公共交通機関もより充実したものとなり、職場が遠い人にも対応している。

 同市の人口は、2050年までに40%増の25万人になると推計されており、この計画は、それに対応するための一助となる。市議会は、同計画について2016年に承認する見込みだ。(c)AFP/Anne KAURANEN