【12月4日 AFP】米カリフォルニア(California)州で発生し14人が犠牲になった銃乱射事件で、当局は3日、射殺された容疑者の夫婦の自宅から膨大な量の武器が見つかったと発表した。犯行に使われた4丁の銃は全て合法的に購入されたものだったという。犯行は事前に計画されていたとみられ、テロの可能性も排除できないとしている。

 事件は同州ロサンゼルス(Los Angeles)から東へ車で1時間ほどのサンバーナーディーノ(San Bernardino)にある福祉施設で開かれていたパーティーで発生。その後、サイード・リズワン・ファルーク(Syed Rizwan Farook)容疑者(28)と妻のタシュフィーン・マリク(Tashfeen Malik)容疑者(27)が、警察との銃撃戦の末、射殺された。

 警察によると、負傷者の数は17人から21人に増加。今回の事件は、2012年にコネティカット(Connecticut)州の学校で発生し子ども20人を含む26人が死亡した事件以来、同国最多の死者を出す銃乱射事件となった。

 サンバーナーディーノ警察のジャロッド・バーグアン(Jarrod Burguan)署長によると、両容疑者は同施設を襲った際、合わせて65~75回発砲しており、「ある程度の計画性」があったことがうかがえるとしている。

 また現場には、爆発物を積んだリモコンカーも残されていたが、起爆に失敗していた。死亡した両容疑者の携帯品と車内からは、合わせて1600発の弾薬が見つかったという。

 さらに2人の自宅には、弾薬約5000発、パイプ爆弾のような爆破装置12個、爆弾製造用の材料もあった。

 保健当局主催のパーティーに参加していたファルーク容疑者が口論を起こし、その場を立ち去った後にすぐマリク容疑者と共に戻ってきたという情報もある。しかし同署長は、「パーティーでかっとなって帰宅し、これほど周到な計画をまとめるとは考えられない」「こういう結果になるには、ある程度の計画があったはずだ」と指摘した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、動機は依然不明だが、テロ攻撃だった可能性も排除できないと警告。また米連邦捜査局(FBI)も、動機について臆測をめぐらせるのは時期尚早だとしている。

 現地メディアは、米国生まれで環境監査員として地元自治体に勤務していたファルーク容疑者は2013年にサウジアラビアへ旅行した際にパキスタン生まれのマリク容疑者と出会い、その後、過激思想に傾倒したと報じている。

 バーグアン署長は、ファルーク容疑者がマリク容疑者を米国に連れて来たのは昨年7月で、以後は犯罪を起こすことなく生活していたとしている。

 一方、CNNテレビは警察当局者の話として、ファルーク容疑者がソーシャルメディアや電話を使い、FBIがマークしている国際的なテロ容疑者らと連絡を取り合っていたと伝えている。(c)AFP/Sara Puig, with Jocelyne Zablit in Los Angeles