【12月2日 AFP】「世界エイズデー(World AIDS Day)」の1日、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)がタブー視されることが多いロシアで、有名テレビ番組司会者が生放送中にHIV陽性であることを公表した。ロシアは近年、HIVの感染者数が増加している。

 ロシア独立系民間テレビ局ドシチ(Dozhd)のテレビ番組司会者で、国営テレビでニュースキャスターを務めたことのあるパベル・ロブコフ(Pavel Lobkov)氏(48)は、1日夜の番組内で自身がHIV陽性であること公表をした。HIV陽性を公表するのは、ロシアの有名人としては初めて。

 ロシアは、HIV感染者数が世界で最も多い国々の一つで、毎月約1000人が新たに感染者と診断され、感染者の総数は100万人近くに上っている。実際の感染者数はさらに多い可能性が高い。

 ロブコフ氏は、2003年に民間の病院で検査を受け、感染を知ったと明かした。カルテに赤い文字で「HIV+」と書かれており、医師から、「あなたはHIV陽性なので」今後、その病院で治療を受けることはできないと言われたという。(c)AFP