【12月2日 AFP】チリ南部パタゴニア(Patagonia)沿岸部の人里離れた海岸で300頭以上のクジラが打ち上げられているのが確認された。科学者らが1日、明らかにした。これまでで最大規模の大量死事象とみられるという。

 クジラの死骸は、同国の研究施設「Huinay Scientific Center」の科学者らが発見した。研究者らは4月、首都サンティアゴ(Santiago)の南方約2000キロの入り組んだ海岸に20頭のイワシクジラが打ち上げられて死んでいるとの報告を受け、現地調査を開始した。

 しかし6月に上空からの地域観測を行った際、事象の規模がより大きいことが判明。骨も含めると、その数は少なくとも337頭に上ることがわかったという。

 今回の大量死は、同様の事象としては、これまでに知られている限り最大規模であるとされ、今後、資金提供した科学誌ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)に詳細が掲載される。

 クジラの死骸には外傷がなく、ウイルスまたはプランクトンの異常発生で起きる「赤潮」が大量死の原因とも考えられるという。(c)AFP