【12月1日 AFP】(写真追加)米誌タイム(Time)が選ぶ2015年のベスト報道カメラマンに、フランス通信(AFP)のアンゲロス・ゾルジニス(Angelos Tzortzinis)氏(27)が輝いた。ギリシャを見舞った経済危機や難民危機を記録した写真が高く評価された。

 ゾルジニス氏はギリシャ出身。タイムは「前例のない2つの危機へのギリシャの対応を記録する真摯(しんし)な仕事をした」と称賛した。

 ゾルジニス氏はフリーのカメラマンとして活動を始め、2007年に通信員としてAFPに加わった。最近は路上の暴力行為から移民の大量流入まで、ギリシャが直面しているさまざまな危機を取材対象としている。そのほか、政治やスポーツ、ギリシャ人の日常生活もカバーしている。

 ギリシャの問題に焦点を絞っている理由について同氏は「私がその一部だから」とタイムに語った。「私は単なる訪問者ではありません。問題の内部で生きており、それを日々実感しています。本当に当惑し、悩まされているからこそ、自分の写真を通してこうした問題の答えを見つけたいのです」と述べた。

 AFPのエマニュエル・オーグ(Emmanuel Hoog)会長はゾルジニス氏について「2015年にギリシャを揺るがした混乱、なかんずく移民危機の傑出した目撃者となった」とコメント。「目の前で展開しているストーリーに至近距離から迫ることで、暴力や混乱だけでなく私的で感動的な瞬間も巧みに捉える力がある」とたたえた。(c)AFP