米発砲容疑者「赤ん坊の部分はたくさんだ」 中絶反対が動機か
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【11月30日 AFP】米西部コロラド(Colorado)州コロラドスプリングズ(Colorado Springs)にある家族計画の医療施設で起き3人が死亡した立てこもり事件で、逮捕された容疑者の男が「赤ん坊の(遺体)部分はたくさんだ」と供述したことが、米メディアの報道により明らかになった。
ロバート・ルイス・ディア(Robert Lewis Dear)容疑者(57)は27日、米NPO「プランド・ペアレントフッド(Planned Parenthood)」の医療施設に高性能ライフルを持って侵入。5時間にわたり施設内に立てこもり、建物の外にいた警察や市民に発砲して、警官1人と一般市民2人を死亡させた。
この施設は、米国の世論を二分する問題となっている妊娠人工中絶を行っていた。米NBCニュース(NBC News)は、警察当局者2人の話として、ディア容疑者が逮捕後の取り調べでプランド・ペアレントフッドについて、「赤ん坊の部分はたくさんだ」と語ったと報じた。
プランド・ペアレントフッドは今年、胎児の臓器や組織の取引への同団体の関与を示すとされる映像が公開されたことを受け、厳しい批判にさらされていた。だが同団体は、こうした取引への関与を強く否定している。
同団体は、中絶への反対が動機だった可能性があるとしている。また、コロラドスプリングズのジョン・サザーズ(John Suthers)市長は29日、米ABCテレビの報道番組で、警察からは容疑者の動機に関する供述内容については知らされていないと説明。一方で、事件がプランド・パレントフッドを狙ったものだったと思うかと尋ねられると、「確かにそのように思われる」と述べた。
コロラド州のジョン・ヒッケンルーパー(John Hickenlooper)知事は、事件を「テロリズムの一形態」と呼び、中絶のようなデリケートな問題に関しては、人々に自制心を失わせてしまう「扇動的な発言」を控えることを議論する必要があると述べた。(c)AFP/Carlos HAMANN