【11月27日 AFP】「殺してやる」と男が怒鳴っているとの通報を受けて深夜2時に急行した警察官が見つけたのは、困惑した男性と、巨大なクモだった――。豪ニューサウスウェールズ(New South Wales)州警察が交流サイトのフェイスブック(Facebook)で公表した。

 警察によると、騒動があったのは21日。シドニー(Sydney)郊外の港湾地区ウォルストンクラフト(Wollstonecraft)にあるアパートで、男性と女性が激しく言い争う声がするとの通報が複数あり、警察が出動した。

 通報した近隣住民によれば、女性が金切り声を上げ、男性は「お前を殺してやる。死んでしまえ!死ね、死ぬんだ」などと叫んでおり、家具をひっくり返す音も聞こえたという。

 パトカーが何台も現場のアパートに急行し、警官がドアを激しくノックすると、息を切らし顔を真っ赤にした30代男性が出てきた。そこで、妻はどこにいるのかと警官は詰問した。男性は「えっ、妻なんかいないよ」と答えた。

 ガールフレンドもいないと主張する男性に、警官は女性の悲鳴が聞こえたとの通報があったと説明した。だが、男性は「何の話か分からない。僕は、ここに1人で住んでいる」と話した。そのため、殺してやると叫んだだろうと警察がさらに問い詰めたところ、男性はおどおどした様子になり、申し訳なさそうな顔をして、こう言ったという。

「あれは、クモのことだ。すごくでっかいやつだったんだ!」

 男性は、殺虫剤を手に家じゅうクモを追い回していたのだと認めた。女性の悲鳴については「ああ、すみません、あれも僕だ。本当に、クモが心底、嫌いなんだ」と話した。

 警察はアパートの室内で死んだクモを発見したが、「非常に大きなクモ」という以外、種類までは確認できなかったという。現場に出動した警官の1人は27日、地元ラジオに「私も、何をおいてもクモが大嫌いなんだ」「近寄ってクモの種類を確認するなんて到底、無理だ」と語っている。この警官によると、アパートは噴霧された殺虫剤でもうもうとしていたという。(c)AFP