【11月27日 AFP】AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)で死亡する青少年の数は過去15年で3倍となり、その大半は幼児期に罹患したものであることが、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が27日に発表した報告書で明らかになった。

 ユニセフの最新統計によると、エイズは10~19歳の青少年の死因としてアフリカでは第1位、全世界では第2位だ。

 同報告書によると、エイズ関連の病気で死亡する青少年の大半は、10~15年前の幼児期にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している。当時は、HIVに感染した妊婦が母子感染を防ぐために抗レトロウイルス薬を投与されることが、現在より少なかった。

 幼児期にHIV感染した大半は、感染の事実を知らずに10代を迎えている。

 15~19歳の青少年の間では、毎時26件の割合で新たな感染が生じている。またこの年齢層のHIV感染者200万人のうち約半数が、南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、インド、モザンビーク、タンザニアのわずか6か国に集中している。

 2000年以降、主にHIV母子感染予防措置が前進したことにより、130万人近くの子どもの新規感染が回避された。2014年には、HIVに感染した妊婦5人のうち3人が、母子感染を予防する抗レトロウイルス治療を受けている。

 報告書によると、この成果は、エイズ関連で死亡した4歳未満の子どもの数が、2000年に比べ60%減っていることに表れているという。(c)AFP