【11月26日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は25日、2015年が観測史上最も気温の高い年になる可能性があると警告する報告書を発表した。そうした中、地球温暖化を抑制するための国際協定の締結に向けた国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)の協議は、仏首都パリ(Paris)で予定より1日早い29日に開始される見通しとなった。

 COP21は、国家と政府の首脳150人以上が集まり、計画通り30日に正式開幕する。気候に関する首脳級会議としては、史上最大規模となる。

 だが、UNFCCC事務局によると、協議者らは29日から会場入りし、話し合いを始める予定だという。

 協議開始を1日早めることで「交渉をまとめるために使える非常に限られた時間を最大限有効活用する機会が提供される」と同事務局は声明で述べている。

 2015年が史上最高気温の年になると警告するWMOの報告書は、地球の気候システムの脆弱(ぜいじゃく)な状態を浮き彫りにした。

 WMOのミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は、今年1~10月のデータに基づき「2015年が観測史上最も気温が高い年になることを、非常に強く確信している」としている。WMOによると、地表面と海面の温度は、2014年に更新された過去の記録を上回る可能性が高いという。

 また2011~2015年の期間も、基準とされる1961~90年長期平均を0.57度上回り、観測史上最も気温が高い5年間となった。

 ジャロー事務局長は、記者会見で「何もかもが、地球にとって悪い知らせだ」とコメントしている。

 WMOは通常、通年のデータが揃ってからでなければ、このような結論を導くことはしないが、今回は研究結果をCOP21の「協議者らに周知」させたかったとしている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux / with Nina Larson in Geneva