【11月23日 AFP】22日に開催された米音楽賞アメリカン・ミュージック・アワード(American Music Awards)の授賞式で、カナダ人歌手セリーヌ・ディオン(Celine Dion)が仏パリ(Paris)で起きた同時テロの犠牲者を追悼する曲を歌った。

 セリーヌ・ディオンは、多くのスターが出席したこの式典で、故エディット・ピアフ(Edith Piaf)の名曲「愛の賛歌(Hymne a l'Amour)」をフランス語で歌った。

 パリでコンサートホールなど市民が集まる場所を標的にした同時テロが発生してから、1週間。スクリーンにはパリの画像が次々と映し出され、やがて仏国旗の三色にライトアップされたエッフェル塔に。その前でセリーヌ・ディオンが失われた愛の歌を歌うと、涙を見せる観衆もいた。

 セリーヌ・ディオンに賞を手渡した俳優で音楽家のジャレッド・レトー(Jared Leto)も、今年初めに自らのバンド「サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ(Thirty Seconds to Mars)」と共に襲撃事件の現場となったパリの劇場「バタクラン(Bataclan)」で演奏したことを振り返り、事件では約130人が死亡したが「この恐ろしい、愚劣な悲劇は、残る70億人の心に永遠に消えない傷を残すだろう」と語った。

 またレトーは「フランス、ロシアやシリア、マリや中東、米国……すべての世界が重要だ。そして平和は実現できる」と訴えて喝采を浴びた他、パリの事件後に生じている外国人に対する排斥感情についても言及。米アップル(Apple)の共同創業者、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏もシリア移民の子どもだったことを挙げ「私たちの多くは移民の息子や娘だ」と述べた。(c)AFP/SARA PUIG/with Shaun Tandon in New York