【11月23日 AFP】ブラジル南東部の鉱山で今月初めに起きたダム決壊事故で、ドセ川(Doce River)に流れ込んでいた有毒物質を含んだ泥流が、大西洋(Atlantic Ocean)に到達した。当局が発表した。

 地元メディアが伝えた環境省当局の発表によると、泥流は21日にドセ川河口に達し、今後、沖合9キロの範囲まで広がる可能性があるという。

 泥流は、今月5日にミナスジェライス(Minas Gerais)州の鉱山で採鉱廃棄物をためていたダムが決壊して流出したもので、近郊のベント・ロドリゲス(Bento Rodrigues)村は、ほぼ全域が泥流にのみこまれた。この事故で、少なくとも10人が死亡、15人が行方不明となっている。

 ドセ川に流れ込んだ泥流は、ブラジル南東部を650キロ横断して大西洋に到達。ミナスジェライスの隣州エスピリトサント(Espirito Santo)は、沿岸を泥流の汚染から守るため防護壁を設置した。

 しかし、ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)のルチアーノ・エバリスト(Luciano Evaristo)院長は同国のニュースサイト「G1」に、泥流は既に水生動物を殺しており、ウミガメの産卵にも影響する恐れがあると語っている。(c)AFP