【11月21日 AFP】米軍は20日、今年3月に同軍がイラクでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の検問所を空爆した際、子ども1人を含む民間人4人が死亡した可能性が高いとする調査結果を発表した。

 米軍主導の有志連合がイラクとシリアで対IS空爆を開始して以来、米軍がこうした事態を認めるのは2度目。米軍は、シリアで昨年11月に行った空爆で2人の子どもが死亡していたことを認めている。

 米軍は、1年以上前から有志連合を主導してイラクとシリアでISの拠点を空爆してきたが、イラクで1人の女性が、5人の民間人が乗っていた自身の車が攻撃を受けて破壊されたと訴え出たことから調査を行っていた。

 米中央軍(US Central Command)は、調査で収集した優位な証拠は、(米軍の)空爆が4人の非戦闘員を死亡させた可能性が高いことを示しており、そのうちの1人は子どもだった可能性があると声明で発表した。

 米軍関係者らによれば、同軍のA10対地攻撃機は3月13日、ISが制圧したイラク北部のハトラ(Hatra)付近にある検問所を標的としていた。

 調査結果によると、有志連合の機体が空爆を遂行する前に、2台の車が検問所にやってきて標的圏内に駐車したという。

 米軍機のパイロットと司令部は、車の運転者たちが検問所にいた人物たちと40分ほど会話し、その間に別の車が通過していったという単純な理由で、運転者たちも「ISの戦闘員であり、標的にするのは違法ではない」と判断したという。

 米軍機のパイロットらは、2台の車に「他にも民間人が」4人乗っていたことは認識していなかったという。(c)AFP/Thomas WATKINS