【11月18日 AFP】ドイツ警察は17日、爆弾による攻撃計画を示す信ぴょう性のある情報があったため、同日ハノーバー(Hanover)で予定されていたサッカーのドイツ対オランダの親善試合を中止すると発表した。「自由の象徴」となるはずだったこの試合は、当初アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相も観戦する予定だった。

 ハノーバー市警察署長は、試合が予定されていた4万9000人収容可能なAWDアレーナ(AWD Arena)に対し「爆発を起こそうとする重大な計画」があり、当局は「具体的な脅威のシナリオ」を想定して行動したと説明した。

 同警察署長は独公共放送ARDに対し、「今夜スタジアム内で爆弾攻撃が計画されていることを示す信ぴょう性のある情報を入手した」と明かしている。すでに会場入りしていた数千人のファンは、数百人の警察官が出て警備に当たる中、大きな混乱もなく避難した。

 現地報道によると、ドイツ代表らはまだスタジアムに到着していなかった。一方すでに着いていたメルケル首相は、直ちに会場を後にしたという。

 ドイツ代表が13日にパリ近郊のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行っていたフランス代表との親善試合では、会場の外でイスラム過激派3人による自爆攻撃が発生。会場中に激しい爆発音が響き渡り、選手やファンらは恐怖におののいた。

 ドイツのヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、予定されていたオランダとの親善試合が「明確なメッセージを打ち出し、自由の象徴となり、フランス国内だけでなく世界各地にいるフランスの友人に対する同情と哀悼を示すものになる」とコメントしていた。またドイツの選手らは、フランスとの連帯の証しとして、フランス国歌を斉唱する練習もしていた。

 後にニーダーザクセン(Lower Saxony)州内相が記者会見で明らかにしたところによると、今のところ爆発物は発見されず、逮捕者も出ていない。また爆弾を積んだ救急車があったといううわさについても、確認が取れていないとしている。(c)AFP