同性愛カップルに養子の返還命じた決定を保留に、米裁判所
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【11月14日 AFP】米ユタ(Utah)州の判事が、レズビアン(女性同性愛者)のカップルに対し、子どもは異性愛夫婦の家庭で育てられるべきとの理由で養子にした赤ちゃんを手放すよう命じて物議を醸していた決定を保留にした。地元メディアが伝えた。
ユタ州在住のエープリル・ホーグランド(April Hoagland)さんとベッキー・ピアース(Beckie Peirce)さんは、9か月の養女を今月17日までに引き渡すよう少年裁判所のスコット・ヨハンソン(Scott Johansen)判事に命じられ、この決定をめぐり、同州内外に怒りの声が広がっていた。
しかし、現地紙ソルトレーク・トリビューン(Salt Lake Tribune)によると、ヨハンソン判事は13日、決定を保留にし、養女の処遇を決定する審理を来月4日に行うことを決定した。
ホーグランドさんとピアースさんの弁護士のコメントは得られていない。
昨年結婚し、今年の夏に米連邦最高裁判所が全米で同性婚を合法化したことを受けて里親の資格を得た2人は、この赤ちゃんを今年8月から養育しており、養子にする意思を明らかにしていた。
しかし、ヨハンソン判事が赤ちゃんを手放すよう命じたことから、里親になるための手続きは今月10日に中断。ホーグランドさんは、この決定は「子どもは異性愛の家庭で育つ方が良いことを示す研究結果」に基づいたものだと述べていた。
すでにピアースさんの実子2人を共同で養育している2人は12日、個別に異議申し立てをしたことを明らかにした。2人は、ヨハンソン判事は自身の宗教的信念によって突き動かされていると思うと述べている。
判事の当初の決定は、同性愛者の人権団体などから怒りを招き、赤ちゃんの実母や地元当局の児童福祉課もこの養子縁組に賛成していることから、当惑を持って受け止められていた。(c)AFP