普及進むホログラム、その技術と可能性
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【1月1日 AFP】ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)といった伝説のミュージシャンたちをコンサートに登場させたいという興行主たちの願いは、いつも大きな問題に直面してきた──それは、これらのミュージシャンたちが、すでに死去しているということだ。
だが、技術の急速な進歩により、光を投影してつくり出す3Dホログラムで、こうしたスターたちは息を吹き返すことができ、コンサートやその他のエンターテインメントに新機軸がもたらされている。
2012年4月、米カリフォルニア州の砂漠地帯で開催された野外音楽祭「コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル(Coachella Valley Music & Arts Festival)」では、90年代に殺害されたラッパー「2パック(2Pac、本名:Tupac Shakur)」が「復活」し、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)やドクター・ドレー(Dr. Dre)らと共演した。これが大きな話題となり、ホログラム・コンサートには大きな注目が寄せられるようになった。
2パックの衝撃の「カムバック」から2年後、今度は米音楽誌ビルボード(Billboard)が主催するビルボード・ミュージック・アワード(Billboard Music Awards)に「ポップスの帝王」として知られる故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が登場した。
この数か月間で、ホログラム技術を使ったプレゼンテーションはより日常的に見かけられるようになり、主流となりそうな勢いだ。
ホログラム・コンサートを手掛ける米企業、ホログラムUSA(Hologram USA)は2015年秋、数年前に死去した米歌手ホイットニー・ヒューストンのツアー開催を発表。また、1959年に他界した歌手ビリー・ホリデイの定期公演も計画している。
ビリー・ホリデイの公演は、史上初のホログラムによる定期公演となる。その会場となるのは、ニューヨーク(New york)のハーレム(Harlem)地区にあるアポロシアター(Apollo Theater)だ。
他方では、バーチャルリアリティー技術を用いて再現したエルビス・プレスリーが登場するミュージカルも計画されている。これは、バーチャルアニメーション制作のパルス・エボリューション(Pulse Evolution)社による企画だ。