【11月11日 AFP】イタリア・セリエA、ASローマ(AS Roma)の主将で、同クラブの象徴であるフランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)が、個人的にお金を払って警察官のチームを雇い、2年間にわたって誘拐の危険から息子を守っていたことがわかった。10日、国内スポーツ紙が報じた。

 ローマでの輝かしいキャリアも晩年に近づきつつあるトッティだが、「ローマの王様」の威光はまだまだ役に立っていたようだ。

 伊スポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)によると、トッティは2008年から2010年にかけて、複数の警察官に報酬を支払い、息子のクリスティアン(Christian)君の警護をさせていた。

 当時、ちょうど出所したばかりのローマの過激なサポーター「ウルトラス」の一人が、5万ユーロでクリスティアン君の誘拐を依頼されたとのうわさが立っていたのだ。

 報道によれば、警察がその時点でうわさの真偽を確認できなかったため、トッティは警察官のチームを雇い、自ら懐を痛めて当時まだ幼かった息子の安全を守ることを決断したという。雇われた警察官は、みな退官間近のベテランだった。

 その一人はガゼッタ紙で、「ある日、ヴィト・スカーラ(Vito Scala、トッティのトレーナー)が私のところへやって来て言った。この間刑務所を出たウルトラスが、5万ユーロでトッティの息子の誘拐依頼を受けているらしいとね」と話した。

「それで、私に調査を依頼に来たんだ。私は、軍警察カラビニエリ(Carabinieri)のルオンゴ(Luongo)司令官、ローマ(Rome)市長、公安部と一緒に確かめることにした」

「あくまでうわさに基づいた話だったから、正規の人員を配備するわけにもいかないだろうという話になってね。それで退官間近の警察官に何人か声をかけて、勤務時間外に警護をしてもらうことにしたんだ」

「お金はトッティ自身が払った。私がトッティからもらって、それをみんなに配った」

(c)AFP