【11月10日 AFP】米ミズーリ大学(University of Missouri)での人種間の緊張への対処をめぐって物議を醸していたティム・ウルフ(Tim Wolfe)学長が9日、辞任した。同大学では、アメリカンフットボール部の黒人学生らが、学長が辞任するまで部活動をボイコットすると宣言していた。

 学内では、黒人の学生らに対して人種差別的な中傷が行われていた。地元メディアによると、10月には寮の壁に人の排せつ物で鉤(かぎ)十字が描かれる出来事も起きていたとされる。

 先週末には、強豪として知られる同大学のアメリカンフットボールチームの黒人学生数十人が、学長が辞任するか更迭されるまでは、試合を含めた部活動をボイコットすると宣言していた。

 米国では最近、白人警官と黒人市民との間での緊張が高まっており、警官による武器を持たない黒人への発砲や、人種がらみの論争が相次いでいる。

 ミズーリ(Missouri)州では昨年8月、同州第2の都市セントルイス(St. Louis)近郊の黒人住民が大半を占めるファーガソン(Ferguson)で、武器を持っていなかった黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さんが白人警官に射殺され、全米規模の騒乱に発展した。(c)AFP/Michael Mathes