【11月9日 AFP】エジプト・シナイ半島(Sinai Peninsula)で起きたロシア旅客機墜落の原因が、機内に持ち込まれた爆弾だった可能性が浮上したことで、空港の保安体制に対する注目が集まっている。

 専門家らは、手荷物検査は概ね信用できると考えており、最大の危険要因は空港職員が共犯となることだと指摘している。以下に、この問題について詳しく考察する。

■保安検査にはどれほどの信頼性があるのか

 フランスの空港警備会社ASCTインターナショナル(ASCT International)のセバスチャン・カロン(Sebastien Caron)氏によると、先月31日に墜落したロシア航空機の出発地であるシャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)の空港で使用されていた検査機器の詳細は分からないものの、世界の空港の多くでは、同じ警備システムが使われている。

 フランスの航空安全専門家で元操縦士のグザビエ・ティテルマン(Xavier Tytelman)氏は、こうした手荷物検査について、X線装置の導入などにより「信頼性は非常に高くなっている」と語る。1980年代以降、爆弾を機内に持ち込むことに成功した者は一人もいないという。

 ただ同氏は、「一般的な意味で、欠点もあることが分かっている」と付け加え、その例として、「大きな金属板」を使ってスキャン検査から爆発物を隠すことも可能だと指摘した。

 また、「通常、不審な点がもしあれば」検査員が疑わしい手荷物を手作業で調べるが、これには時間と労力が必要だという。