【11月9日 AFP】元マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のアンディ・コール(Andy Cole)氏やリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)氏ら、イングランド・プレミアリーグでプレーした約100人もの元選手が、映画制作事業や不動産への投資に失敗した結果、合計で約1億ポンド(約186億円)の損失に直面していることがわかった。英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じた。

 元選手たちは投資会社キングスブリッジ・アセット・マネジメント(Kingsbridge Asset Management)のデビッド・マッキー(David McKee)氏、ケビン・マクメナミン(Kevin McMenamin)氏の助言にだまされたとの声を上げており、莫大な額の資産を失うか、映画制作事業の適法性に異議を唱えた英国歳入税関庁(HMRC)から巨額の税金を請求されるかしたという。

 アーセナル(Arsenal)やエバートン(Everton)でプレーした元FWのケビン・キャンベル(Kevin Campbell)氏は、5つの映画制作事業に投資した結果、約700万ポンド(約13億円)を失い、現在は自己破産の手続きを行っている最中だという。

 キャンベル氏は、自らを含めた元選手たちが「最悪の詐欺」の犠牲になったと主張し、サンデー・タイムズに「書類を見て落ち込んだよ。私だけが苦い思いをしたわけじゃないけど、700万ポンドは大金だ」と話した。

 元リバプール(Liverpool FC)のMFで、現在は英国放送協会(BBC)の解説者を務めるダニー・マーフィー(Danny Murphy)氏は、販売自体がうそだったのだから、恥ずかしく思ってはいないと話した。

 マーフィー氏は、「私は怒ってるんだ」とコメントしている。

 ブラックバーン・ローバーズ(Blackburn Rovers)で主将を務め、現在はトップチームのコーチとなったクレイグ・ショート(Craig Short)氏は、約260万ポンド(約5億円)を失った。

 ショート氏は、「子どもたちの教育費や、子どもたちの将来を考えてした投資だったのに。100人以上の元選手が被害に遭ったと聞いている。みんな悲嘆に暮れてるよ。みんながだまされた、悔しい、恥ずかしいと感じている。心からね。失敗だった。大失敗だった」と話した。

 一方でサンデー・タイムズには、マッキー氏とマクメナミン氏の話も掲載されている。両氏は広報を通じて投資計画の妥当性やリスクについてはしっかりと伝えてあり、投資は収支のバランスを考えて行うよう元選手たちにも「例外なく」助言していたと主張している。(c)AFP