【11月9日 AFP】世界銀行(World bank)は8日、地球温暖化に対する適切な対策が取られなければ、疾病の増加や作物の収穫量減少などにより、世界の貧困層が2030年までに1億人増える可能性があるとの報告書を発表した。

 報告書は、気候変動が貧困撲滅に向けた努力の妨げになっていると指摘しながら、温暖化による降雨量減少や異常気象などの影響は最貧困層の人々でより大きいとした。

「貧困層の保護につながる排出ガスの削減努力をしながら、気候に配慮した包括的な発展が迅速になされなければ、さらに1億人以上の人々が2030年までに貧困に陥る可能性がある」と報告書には記された。

 報告書で世銀は、作物の収穫量減少に苦しむ人々は2030年までに5%、2080年までに30%に達し、マラリアや下痢、成長阻害に苦しむ人が1億5000万人増えると予測。また、アフリカの食料品価格は気候変動の影響により、2030年までに12%上昇し、最も貧しい人々の移民に拍車をかけるとも予測している。(c)AFP