【11月9日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2015)最終第18戦のバレンシアGPは8日、MotoGPクラスの決勝が行われ、モビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のホルヘ・ロレンソ(Jorge Lorenzo、スペイン)が優勝を飾り、チームメートのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)を抑えて自身3度目の総合優勝を飾った。

 ロッシは総合争いでロレンソに7ポイント差をつけてこの最終戦に臨んだが、前戦マレーシアGPでレプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)を転倒させたとして、この日はグリッド最後部からのスタートという厳しい課題を与えられていた。

 ロッシは劇的な走りで集団を追い抜き4番手でフィニッシュしたが、ロレンソがホンダのマルケスとダニ・ペドロサ(Dani Pedrosa、スペイン)の強い圧力をいなし、ポールトゥウィンを飾った。

 この日は、ロッシからロレンソの総合優勝に力を貸そうとしていると非難されていたマルケスが、ロレンソをオーバーテークできるかどうかに多くの注目が集まっていた。

 王座を逃したロッシはスペインのスポーツ紙「マルカ(Marca)」に対し、「ホンダの見事な仕事ぶりだった、なぁ?こうなるだろうと思っていた通りになった」といら立ちを募らせた。

 マルケスがロレンソの「ボディーガード」になったと続けたロッシは、「少なくともファンはマルクの計画を目の当たりにした。その振る舞いについてコメントはしたくない。この先数か月で彼は自分のしたことに気付くだろう。優勝争いは醜い終わりを迎えた」とコメント。

「ロレンソはタイトルに値するが、彼は本物のチャンピオンじゃない。バイクレースでこれまで起こらなかったことが起きたんだからね。ロレンソも満足できないさ」

 奇妙なことに、ロレンソはチームの公式チャンネルでのインタビューでロッシの主張を支持するコメントを発した。

 マルケスとの間に「いかなる約束」もなかったと否定する中、ロレンソは同胞に追い抜かれなかったことでタイトルを獲得できたと本音を明かした。

「彼らがスペイン人で、僕を助けてくれたのは事実だ。他のレースであれば、オーバーテークを仕掛けるはずが、今回はしなかった。確実に助けてくれた」

「もしバレンティーノが私の立場で、その後ろにイタリア人ライダーがいれば全く同じことをしただろう」

 総合争いでロレンソはロッシを逆転し、5ポイント差をつけた。3位にはマルケスが続いている。

 一方でマルケスは、ペドロサとともにロレンソを支援したという見解を否定している。

「ダニも僕も100パーセントの力を傾けた。ここだろうと、マレーシアだろうと、オーストラリアだろうと、他のレースでもね。僕らは常に100パーセントの力を注いでいるよ」

(c)AFP