【11月6日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)第三帝国(Third Reich)の公式彫刻家の一人が制作した、独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の大理石製の頭像が、ポーランド北部都市グダニスク(Gdansk)にある博物館中庭の地中から出てきた。中庭の地面を掘っていた作業員らが発見したと、博物館関係者が5日、発表した。

 グダニスクにある国立博物館(National Museum)の彫刻部門担当職員、レフ・ロプスキー(Lech Lopuski)氏によると、高さ50センチの頭像は、彫刻家のヨーゼフ・トラク(Josef Thorak、1889-1952)が制作したもので、同館中庭での作業中に偶然発見されたのだという。

 頭部像には「Thorak」の文字と「1942」の制作年が刻まれていた。ロプスキー氏はAFPの取材に「故意に隠されたのだろう」と語り、「像の存在はこれまで知られていなかったため重要な彫刻作品となる。トラクは優れた彫刻家で、この作品も見事に仕上げている」と続けた。

 2度の世界大戦の間は自由都市だったグダニスク(ドイツ名:ダンツィヒ、Danzig)は、住民の大半がドイツ人だった。頭部像が発見された建物には当時、市営博物館があった。

 ロプスキー氏は「頭像は恐らく(博物館の)館長室の調度品だったと思われるが、現段階ではまだ何とも言えない」としながら、今後の展示については「現段階では分からない。これは微妙な問題だ」とコメントした。(c)AFP