国際陸連の前会長に捜査の手、ドーピング絡みで収賄か
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【11月5日 AFP】フランスの司法当局は4日、ドーピング違反を隠蔽(いんぺい)する見返りに金銭を受け取ったとして、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)前会長の捜査を行っていることを明かした。
捜査状況に詳しい情報筋によれば、ディアック氏が隠したとされるのは、ロシア人陸上選手の複数のテスト結果に関することだという。しかし、他国の選手を巻き込む捜査に発展する可能性があるともしている。
検察の発表によれば、セネガル人のディアック氏と同氏の弁護士は、共謀して収賄、マネーロンダリング(資金洗浄)に関わった疑いで捜査を受けたという。また、司法関係者がAFPに明かしたところによれば、IAAFでドーピング違反を取り締まっていた医師も収賄に関わった疑いで捜査を受けたというが、3人はすでに保釈されている。
82歳のディアック氏は、8月にIAAFの会長を退任。その後、セバスチャン・コー(Sebastian Coe)氏がスキャンダル続きのIAAFでトップの座に就任した。
IAAFのクリス・ターナー(Chris Turner)広報担当によれば、コー現会長は、自ら捜査協力を申し出たという。
世界反ドーピング機関(WADA)の委員会は、ロシアとケニアの陸上選手の多くが禁止薬物を使用しているという疑惑について、今月、報告書を出すことになっている。
IAAFは司法当局による捜査の開始を受けて声明を出し、「WADAの独立委員会と、IAAFの独立倫理委員会も、ドーピング違反のルールと規則を取り巻く疑惑について調査を行っていますが、フランスの警察による捜査も始まりました」と述べた。
声明は「IAAFは捜査開始から全面的な協力を行っています」と続き、「前日、IAAF本部に捜査が入って、事情聴取や書類の押収が行われた」とも述べている。
1999年から今年までIAAFを率いてきたディアック氏は、陸上界がドーピング問題に揺れる中、16年間の政権に終止符を打っていた。(c)AFP/Nicolas GAUDICHET, Frédéric BOURIGAULT