【11月4日 AFP】米国防総省は3日、シリア上空で米軍戦闘機のパイロットが、ロシアの戦闘機と直接交信したことを明らかにした。米露両国は、双方が並行して実施する軍事作戦が不測の事態に発展し、米露間で戦闘状態に陥ることを回避するために新たな取り決めを結んだばかり。今回の交信は初の試験的な事例となる。

 シリア上空で米露の軍用機が接近する事態が複数回発生し、空中衝突といった危険な偶発事故が起きるリスクが高まっていたことを受け、両政府は先月20日、双方の戦闘機が互いに一定の距離を置くことを取り決めた覚書に署名した。

 米国はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対し、2014年12月から空爆を開始した。一方、ロシアが空爆を開始したのは今年9月で、反体制派を広範に標的としている。これに対し欧米諸国は、ロシアがバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援する目的で、シリア政府軍と戦う反体制派を攻撃していると批判している。(c)AFP/Max DELANY