英警察、予算不足で「スカイプ事情聴取」を試験導入
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【11月2日 AFP】英国の警察が予算削減のため、緊急を要しない事件の被害者への事情聴取をインターネット電話サービス「スカイプ(Skype)」を介して行う新制度を試験的に開始した。
英イングランド(England)東部ケンブリッジシャー州警察(Cambridgeshire Constabulary)が先月30日に明らかにしたところによると、スカイプによる事情聴取は同州ピーターバラ(Peterborough)市内で27日から試験導入された。被害者宅を警察官が訪問する従来の事情聴取よりも、柔軟で即応性に優れた対応が可能になるのではと期待されている。
新制度では、緊急を要しない事件の通報用電話番号「101」への通報は、被害状況に関する個別の審査を行った後、事情聴取の続きを電話、スカイプ、自宅訪問のどの形式で行うかを被害者に選択してもらう。被害者が高齢で情報技術(IT)に不慣れだったり、個人的事情に踏み込む必要のある事件だったりした場合は、今後も自宅に警察官が訪問して事情聴取することもできるという。
財政赤字に苦しむ英国では、警察予算も削減を余儀なくされており、全国各地の警察当局で資金不足を埋め合わせようとITの活用が進みつつある。
ケンブリッジシャー州警察組合(Cambridgeshire Police Federation)のオズ・メリーゴールド(Oz Merrygold)氏は、全ての犯罪において被害者の自宅訪問で対処するのは「もはや不可能」だと指摘。「われわれは、警察による治安維持のあり方を再定義する必要にかられている」と説明した。
ただ、警察OBからは新制度について「バーチャル警察」だと批判する声も出ている。(c)AFP