【11月2日 AFP】トルコで1日に行われた国会(定数550)の出直し総選挙は、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)が過半数を回復し、単独政権の座を再び獲得する見込みとなった。

 開票がほぼ終了した時点で、AKPの得票率は49.4%で、同党は316議席を確保。アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は「今日は勝利の日だ」と地元支援者を前に喜びを述べた。

 6月の選挙では同党がわずか40%の得票率で13年ぶりに国会の過半数を失っており、出直し総選挙でも同様の結果が予想されていたため、投票結果は多くの人々にとって予想外のものとなった。

 同国では、クルド(Kurdish)人武装勢力による暴力事件の再燃や、イスラム過激派による一連の事件、民主主義への懸念や経済の低迷に直面し、国内の分裂が進んでいる。主要クルド人都市のディヤルバクル(Diyarbakir)では、開票結果を受けてクルド人武装勢力がタイヤなどを燃やして抗議し、警察は催涙ガスや放水銃を使用した。

 エルドアン大統領は選挙運動中、治安を保障することができるのは自分と自分に忠実なダウトオール首相だけだとして、「私か混沌のどちらかだ」と訴えた。ワシントン近東政策研究所(Washington Institute for Near East Policy)のディレクター、ソネル・チャアプタイ(Soner Cagaptay)氏は、「トルコの情勢不安と、エルドアン大統領の『人々を守れる強靭な男』戦略が奏功した」と指摘している。(c)AFP/Fulya OZERKAN with Tanya WILLMER in Istanbul