【11月1日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で先月31日、今年2月にイスラム過激派に殺害されたとみられる無神論者作家の発行人が何者かになたで襲われ死亡した。ダッカではこの数時間前にも、世俗派ブロガー2人と発行人1人が襲われ負傷している。

 同国では、世俗派の活動家がなたや大型の包丁で襲撃される手口の似た事件が相次いで発生している。警察当局によると、犯人が襲撃後、血だらけの被害者を残して外側から南京錠をかけ立ち去る点も共通しているという。

 殺害されたのは、ファイサル・アレフィン・ディパン(Faisal Arefin Dipan)氏(43)。著名知識人で作家でもある父親のアブル・カシム・ファズルル・ハク(Abul Kashem Fazlul Haq)氏がAFPに語ったところによると、ディパン氏は、ジャグリティ出版社(Jagritee Publishers)の経営者で、ダッカ中心部にある建物の3階にあるオフィスで殺害されたという。警察がディパン氏の死亡を確認した。

 ハク氏は、ダッカで同日、他の発行人やブロガーが襲撃されたことを聞き、息子を心配していたという。「息子はアビジット・ロイ(Avijit Roy)氏の作品を出版していた。ロイ氏の作品を出版した他の発行人も襲われたが、息子だけが死亡した」

 無神論者のブロガーだったロイ氏は、今年2月にブックフェアの外で襲撃されて死亡。バングラデシュで発生した一連の世俗派ライター襲撃事件で初の犠牲者となった。同国では、同様の事件で今年5人が殺害されている。

 31日に発生した2事件では、「インド亜大陸のアルカイダ(AQIS)」がツイッター(Twitter)で犯行声明を出している。(c)AFP/Shafiqul ALAM