【10月30日 AFP】ソーセージやハムなどの加工肉の摂取をがん発症と結びつけ、各国で波紋を呼んだ世界保健機関(WHO)の調査結果について、WHOは29日、肉類を全く食べないことを奨励するものではないと強調する声明を発表した。

 国際がん研究機関(IARC)は26日に発表した報告書で、世界中の800件の研究の精査によって加工肉は大腸がんを引き起こすとし、赤肉にも「おそらく」発がん性があると発表していた。

 この報告書に対し、オーストラリアの農相は「笑いぐさ」と批判。北米食肉協会(NAMI)は、IARCが「特定の結果を出すためにデータを歪曲(わいきょく)した」と主張した。

 だが、WHOは29日の声明で、IARCの調査はWHOによる2002年の食生活と栄養に関する勧告を単に確認し、「がんの危険性を減らすために加工肉の摂取を控えめにするよう」奨励したに過ぎないと強調。「人々に加工肉を食べないよう要請するものではなく、こうした製品の摂取量を減らすことによって、大腸がんのリスクを減らすことができることを示すものだ」としている。

 ただ、IARCの報告書では、安全な食肉摂取量の上限は示されていない。(c)AFP