【10月29日 AFP】米サウスカロライナ(South Carolina)州の高校で、問題行動をしたとされる黒人女子生徒を暴力的に拘束する様子が映像に捉えられた白人警官が28日、免職処分を受けた。地元保安官が発表した。

 米国では、警官とアフリカ系住民との間での事件が相次いでおり、警察官の暴力行為が大きな問題となっている。サウスカロライナ州の州都コロンビア(Columbia)の高校で26日に起きた今回の出来事では、他の生徒たちが撮影した映像がインターネット上で拡散し、物議を醸していた。

 映像では、警官が教室の机に座っている女子生徒と短い会話を交わしたあと、女子生徒の首元をつかみ、机ごとひっくり返して床の上で引きずっていった。この映像では女子生徒は抵抗する様子を見せていないが、同州リッチランド(Richland)郡のリオン・ロット(Leon Lott)保安官は、女子生徒がこれ以前のやりとりで問題の警官であるベン・フィールズ(Ben Fields)氏を叩いていたことが、公開されていない別の映像から分かったと述べている。

 ロット保安官は、女子生徒が授業を妨害していたとし、「彼女の行動で、すべてが始まった」と述べたが、女子生徒の態度はフィールズ氏の行為を正当化するものではないと付け足した。同保安官によると、教室にいた教師と黒人の学校職員が女子生徒を教室から退出させようと試みたがうまくいかず、その後、フィールズ氏が呼ばれたという。

 ロット保安官は、フィールズ氏が生徒に触れた行為は違法ではなかったものの、体を床の上で引きずった行為は行き過ぎだったと認め、フィールズ氏を規律違反で免職処分としたことを明らかにした。

 女子生徒の弁護士は、女子生徒が腕や背中、首を負傷したと主張している。米連邦捜査局(FBI)と米司法省は27日、公民権法違反の可能性もあるとして捜査を開始したことを明らかにした。(c)AFP