「寒すぎる」、移民がバス降車拒否 スウェーデン
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【10月28日 AFP】スウェーデンに渡った移民が、移送された村が「寒すぎ」て孤立した場所にあると主張し、一部が移送されたバスから降りることを拒否するなど、当局との間でこう着状態にあることが27日、明らかになった。
25日夕方、ノルウェーとの国境に近いリメツフォシェン(Limedsforsen)にバスで移送された約60人のシリア人とイラク人は、難民申請の審査が行われる間、木造家屋が建ち並ぶ村に滞在することになった。
しかし、自分たちが移送された場所が、一番近い町から数十キロ離れた森の中だと知ると、3分の1はバスから降りることを拒否。多くが、大都市かドイツに連れていってほしいと要求した。
「ここに住むように言われたが、全員には不可能だ。子どもたちや妊娠した女性もいる。ここは寒すぎるし、店もなく、医者もいない」と、シリア移民の1人はテレビ局SVTに語った。
スウェーデン移民庁(MV)は、週に1万人もの難民らを受け入れているため、関係施設などでは対応が追い付かなくなってきていると述べた。
AFPの取材に応じたMVの報道官によれば、代わりの解決策はないものの、27日夕方、移民らのうち約15人と話し合いを進めたという。また、移民が移送先を拒否するケースはまれだという。
人口980万人のスウェーデンは、今年だけで最高19万人の難民申請があると予測しており、1人当たりの移民受け入れ率は欧州連合(EU)諸国の中で最も高い。
気温が氷点下30度まで下がることもあるスウェーデンの長く暗い冬は、温暖な国々から渡航してきた移民たちにとっては大きな試練となっている。(c)AFP