【10月26日 AFP】(写真追加)バングラデシュ当局は26日、首都ダッカ(Dhaka)の路上で先月イタリア人援助活動家が射殺された事件に関連して4人を逮捕したと発表した。この事件を含め、同国ではイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出す事件が最近相次いでいたが、政府はいずれもシェイク・ハシナ(Sheikh Hasina)首相に敵対する政治勢力の犯行だと主張している。

 警察は26日、イタリア人援助活動家のチェーザレ・タベッラ(Cesare Tavella)さん(50)を射殺した容疑で逮捕した4人を、犯行に使われたとされるオートバイとともに報道陣に公開した。

 タベッラさん殺害の数日後には、バングラデシュ北部で農業関係のプロジェクトに携わっていた日本人の星邦男(Kunio Hoshi)さんがバイクに乗った男らに射殺される事件が起きており、いずれの事件もISが犯行声明を出していた。

 また、24日にはダッカのイスラム教シーア派の宗教施設で爆発があり、1人が死亡、多数が負傷。これもISが犯行声明を出し、世俗国家ではあるもののスンニ派が多数のバングラデシュで、少数派の人々の安全に対する懸念が高まっていた。

 だが、政府は25日、国内でISが活動しているとの見方を否定し、ハシナ首相と対立する野党議員ら数十人の身柄を拘束。アサドゥッザマン・カーン・カマル(Asaduzzaman Khan Kamal)内相は記者会見で、「バングラデシュにIS組織は存在しないと、はっきり言っておく」と述べた。

 ダッカ警察当局は26日、拘束した4人を報道陣に公開した後、4人が「ボス」の命令で金銭と引き換えにタベッラさんを殺害したと認めたと説明。犯行は「政府を窮地に追い込み、圧力をかけて無政府状態を作り出すため」だったとの見方を示した。(c)AFP/Shafiqul ALAM