【10月26日 AFP】汚職スキャンダルで現職大統領が失脚した中米グアテマラで25日、大統領選の決選投票が行われ、政治経験のないコメディアンのジミー・モラレス(Jimmy Morales)氏(46)が対立候補を大きく引き離して当選を確実にした。

 選管当局によると、開票率94%の段階での得票率はモラレス氏の69%に対し、対立候補のサンドラ・トレス(Sandra Torres)元大統領夫人は31%にとどまっている。

 コメディー俳優やテレビタレントとして活躍するモラレス氏は、国営テレビが伝えた勝利宣言で汚職根絶を誓った。

 モラレス氏は、2007年の映画『ソンブレロをかぶった大統領』で、「大統領」を目指す「田舎のカウボーイ」を演じたことで知られる。実生活では故郷で市長選に立候補して敗れた経験があるが、国政レベルの選挙への出馬は今回が初めて。

 オットー・ペレスモリナ(Otto Perez Molina)前大統領は9月3日、今回の大統領選の第1回投票3日前に、汚職容疑で拘束され辞職に追い込まれた。政治家や税関関係者らによる収賄ネットワークを操った容疑で、現在は収監され裁判を待っている。関与した政治家や税関幹部らは、賄賂を受け取った見返りとして関税を不法に引き下げていた疑いがもたれている。(c)AFP/Marco SIBAJA