【10月24日 AFP】(一部更新)史上最強のハリケーン「パトリシア(Patricia)」が23日夕方(日本時間24日朝)、中米メキシコ西部ハリスコ(Jalisco)州の太平洋沿岸に上陸した。メキシコ気象当局が発表した。大きな被害をもたらす恐れがある。

 パトリシアは現地時間22日夜、ハリケーンの強さを示す「シンプソン・スケール(Saffir-Simpson Hurricane Scale)」で最高のカテゴリー5に勢力を拡大し、沿岸地域に猛烈な雨を降らせていた。米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、上陸前の最大風速は90メートル。

 現地ではハリケーン上陸に備え、住民や政府当局が対応に追われた。地元当局は住民や観光客を避難させ、港や学校を閉鎖した。

 エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領はパトリシアについて、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「世界史上最も危険(なハリケーン)」「わが国は大きな危機にさらされている」と投稿。政府の優先事項は「メキシコ国民の命を守ることだ」と述べた。

 メキシコ国家水委員会(CONAGUA)のロベルト・ラミレス(Roberto Ramirez)局長によると、パトリシアはメキシコを横断してメキシコ湾へ抜けた後、米国に上陸する恐れもあるという。

 NHCでは、ハリスコ州のほか、ナヤリット(Nayarit)、コリマ(Colima)、ミチョアカン(Michoacan)、ゲレロ(Guerrero)の各州で約510ミリの大雨が降ると予報し、洪水や地滑りへの警戒を呼び掛けている。CONAGUAによれば一部の州では年間降雨量の40%相当の雨が48時間以内に集中して降ると予測している。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS