【10月20日 AFP】米アップル(Apple)は19日、同社の個人情報保護規定に反してユーザーの個人情報を収集しているアプリを同社のオンラインストア「アップストア(App Store)」から削除する方針を明らかにした。

 モバイル分析企業ソースDNA(SourceDNA)はこの前日、アップルの基本ソフト(OS)「iOS」向けアプリの中に、「個人を特定できるユーザー情報」を収集する中国の広告ソフトウエアを使用したものが256本見つかったと発表していた。

 アップルは19日、AFPに宛てた声明でこの発見を確認し、「モバイル広告プロバイダー『有米(Youmi)』が開発したサードパーティー広告のSDK(ソフトウエア開発キット)を使用している一連のアプリを特定した。(…)これらのアプリは、ユーザーの電子メールアドレス、デバイスIDなどの個人情報を収集している」と説明。

「これはわが社のセキュリティーおよび個人情報保護の規定の違反であり、有米のSDKを使用しているアプリはアップストアから削除し、今後、同じSDKを使う新しいアプリの申請があった場合も認めない」と述べた。

 アップルは、ユーザーの許可を得ずに個人情報を共有するサードパーティー製アプリを認めておらず、電子メールアドレスや誕生日などの個人情報の共有をユーザーに求めるアプリの登録を拒否している。

 ソースDNA社の研究者らによれば、ユーザーのプライバシーを侵害する有米のSDKを使っているアプリの累計ダウンロード数は、100万回と推定されている。

 研究者らはブログで、「開発者の大半は中国を拠点としている。SDKがバイナリー形式で難読化された形で提供されているため、アプリ開発者がこの問題に気付かずに、ユーザー情報が有米のサーバーに転送されていると、われわれは考えている」と説明している。(c)AFP