【10月20日 AFP】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題で、スペイン検察当局は19日、最高裁判所に対し、同社の詐欺罪の可能性を調査するよう要請した。

 ある司法筋がAFPに明かしたところによると、検察当局は、排ガス検査に不正合格できるようにするソフトウエアをディーゼル車に搭載していたVWのスキャンダルが「数十万人に影響する国家規模の重大な事件」であり、最高裁に調査を開始する権限があると述べ、さらに、検察当局はVWが詐欺や消費者保護義務違反、環境侵害の罪を犯した可能性があるとみていると付け加えた。

 VWのスペイン支社によると、同国内で近年販売された排ガス不正ソフトウエアが搭載されたVW、アウディ(Audi)、シュコダ(Skoda)、セアト(SEAT)といったVWブランドのディーゼル車は合わせて約68万4000台だという。

 ドイツ、米国、イタリアをはじめ、世界各国で司法当局が調査を開始する中、先週にはフランスの検察当局も、詐欺罪での立件を視野にVWの予備捜査を開始。さらに欧州連合(EU)では、複数の国の政府が以前から何らかの違法性を認識していたという報道もでており、当局がEU全域を対象とした捜査を目指している。(c)AFP