ドイツで市長選候補が刺され重傷、政治・人種的動機か
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【10月18日 AFP】ドイツで17日、移民支援に意欲的に取り組んでいた市長選挙の候補者が男に刺され重傷を負った。警察はこの事件を「人種的、政治的」な動機によるものとしており、移民問題をめぐりアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相にとってさらなるプレッシャーとなる可能性がある。
事件があったのはドイツ第4の都市、西部のケルン(Cologne)で、18日に控えた市長選の最有力候補とされている左派のヘンリエッテ・レーカー(Henriette Reker)氏が首に重傷を負った。事件について、メルケル首相は「ショックだ」とコメントしている。
メルケル首相が党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)の支援を受ける無所属候補者で、ケルンで移民問題に対応していたレーカー氏は、同市内で選挙運動中に襲撃された。
現地の警察幹部によると、レーカー氏のほかに4人が負傷し、うち1人は重傷だという。
容疑者は44歳の無職の男で、現場で逮捕された。別の警察幹部によると、男は警察に対し、「人種的な動機で犯行に及んだ」と話しているという。
同国では、メルケル首相が打ち出したシリア難民受け入れ政策は、CDUと同じ保守派からの反発に直面しているほか、極右派から相次ぐ抗議を招いている。
移民らの多くは最終的にドイツを目指しており、同国は今年に入ってこれまでに57万5000人以上の難民申請者を受け入れている。この数は年末まで最大100万人に達するとみられており、約10年前に首相に就任して以降、メルケル氏に最大の政治的挑戦を投げかけている。(c)AFP/Richard Heister