【10月18日 AFP】米ミシガン(Michigan)州で、交通違反の取り締まり中に息子のデべン・ギルフォード(Deven Guilford)さん(当時17)が警官に射殺されたとして、両親が訴訟を起こしたとメディアが報じている。この若者が殺害された際の様子を捉えた動画も明らかになっている。

 警官による武力行使をめぐり、米国では国民的な議論が起きており、白人警官による黒人への人種差別だという非難の声も多いが、今回の事件は、警官も射殺された少年も共に白人だ。

 今年2月にミシガン州で起きた事件の様子は、渦中にあるイートン(Eaton)郡保安官事務所のジョナサン・フロスト(Jonathan Frost)巡査部長が装着していたボディーカメラが捉えていた。

 フロスト巡査部長は、パッシングをしたとしてギルフォードさんが運転する車を止めさせたと報じられている。

 車を止めたギルフォードさんはその後、免許証や登録証、保険証明書を渡すよう求めたフロスト巡査部長に質問を繰り返し、要求を無視していた。

 フロスト巡査部長が、ガールフレンドに会いに行く途中だったギルフォードさんに対して車から降りるよう命じると、状況は悪化する。

 カメラは全てを捉えているわけではないが、「地面に伏せろ!」とフロスト巡査部長は叫び、ギルフォードさんの携帯電話を蹴り飛ばし、ギルフォードさんに向けてテーザー銃を発射した。その後さらにフロスト巡査部長はギルフォードさんを銃で7回撃っている。

 米NBCニュース(NBC News)のウェブサイトに投稿された動画では、「武器は持っていない」とギルフォードさんが言っているのが聞き取れる。

 検察当局がフロスト巡査部長を訴追しないことを決定してから4か月がたった先週、ギルフォードさんの両親は、同巡査部長とミシガン州イートン郡を相手取り、連邦裁判所に訴訟を起こしたとメディアは16日、報じた。

 NBCニュースによると、フロスト巡査部長はギルフォードさんに暴行されて撃ったと話しているという。米テレビCNNが放送した、事件後にフロスト巡査部長のボディーカメラで撮影されたものとみられる動画には、顔から血を流す同巡査部長が映っている。

 訴えによれば、フロスト巡査部長の車には「不適切に明るいヘッドライト」が取り付けてあり、ギルフォードさんの車を含め、少なくとも3台の車がフロスト巡査部長にヘッドライトをロービームにするようパッシングしていたという。(c)AFP