オバマ大統領、アフガニスタン駐留米軍の撤収断念
このニュースをシェア
【10月16日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は15日、アフガニスタン駐留米軍について、2016年以降も引き続き数千人規模の部隊を残留させる意向を明らかにした。アフガニスタン軍だけに治安維持を任せるのは時期尚早と認めたもので、大統領が掲げてきた大きな選挙公約の実現を断念した格好となった。
オバマ大統領は、ホワイトハウス(White House)で行った演説で、「アフガニスタン軍にはまだ必要なだけの力が備わっていない」との認識を示し、来年も約9800人の米軍部隊をアフガニスタンに駐留させるという決定は「正しい判断」だと主張。「最高司令官として、わが国への再攻撃を企図するテロリストらの安全な隠れ場としてアフガニスタンを使わせるわけにはいかない」と述べた。
これにより、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領がオバマ氏に残した14年にわたる戦いは、さらに時期大統領へと引き継がれることになる。オバマ氏は2009年に大統領に就任した際、これまでに2000人以上の米国民の命を犠牲にし、数万人が負傷したこの戦争を終結させると公約していた。
当初の計画では、現在約1万人規模の部隊を、来年末までに約1000人にまで縮小するとしていた。しかし今回の方針転換により、来年後半またはオバマ大統領が退任し第45代となる次期大統領が就任する2017年初めにも、約5500人が引き続き駐留する見込みとなった。(c)AFP/Andrew BEATTY