【10月14日 AFP】2016年の米大統領選に向けた民主党の候補者による初めての討論会が13日、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で開かれた。指名争いで最有力候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官は支持率低下につながってきた私用メール問題に幕引きを図ったが、対立候補から意外な助け舟が出された。討論会の要点は以下の通り。

■「革命的」自説を披露──サンダース氏

 支持率争いでクリントン氏を追い上げているバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は、米国の伝統的な政治からみれば革命的ともいえるような急進的な考えを単刀直入に披露した。

「私は自分自身のことを、ごく少数の人間が巨万の富を手にする一方で大多数の人間がわずかな財産しか持たず、ウォール街(Wall Street)の貪欲さや見境のなさがこの国の経済を破綻させている『カジノ資本主義』の一員だと考えているか?ノーだ。私は違う」とサンダース氏は述べた。「私は、誰もがうまくやっていける社会を信じている。一握りの億万長者だけではなく」

■電子メールの話はもうたくさん

 クリントン氏が、国務長官在任中に私用メールサーバーを使用していた問題についてサンダース氏から助け舟を出される場面もあった。

 サンダース氏はいら立った様子で「電子メールの話はもうたくさんだ!」と司会者に言い、クリントン氏に向かって「米国民は、あなたの電子メール問題についてうんざりするほど聞かされている」と述べた。

 クリントン氏は「ありがとう。私も、私もよ」と答えた。

■各候補の敵は

 今後まだまだ多額の資金集めと党内の支持固めが必要な候補者らは、喜々としてそれぞれにとっての「政治的な敵」を挙げていった。民主党の引き立て役としておなじみの全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)、ウォール街、製薬業界だ。

 クリントン氏が最大の声援を受けたのはこの時だったかもしれない。「NRAに加えて、保険会社、製薬会社、イラン人、そしておそらく共和党員」と、クリントン氏は笑顔を見せながら語った。

■主役は2人

 討論会にはリンカーン・チェイフィー(Lincoln Chafee)前ロードアイランド(Rhode Island)州知事、マーティン・オマリー(Martin O'Malley)前メリーランド(Maryland)州知事、ジム・ウェッブ(Jim Webb)前上院議員の3人も参加したが、クリントン氏とサンダース氏が終始討論をリードしたため、3人とも特に見せ場を作ることなく終わった。(c)AFP