エルサレムで襲撃相次ぐ、3人死亡 情勢不安、悪化の一途
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【10月14日 AFP】中東エルサレム(Jerusalem)では13日、パレスチナ人らがバスの車内で発砲したり、バス停に車で突っ込んだりする事件が相次ぎ、イスラエル人少なくとも3人が死亡した。数週間にわたり襲撃事件が続発する同市で、最も多くの死者を出した一日となった。
警察によると、東エルサレム(East Jerusalem)で発生したバス襲撃事件では、パレスチナ人1人が拳銃、もう1人が刃物2本を持って約15人を襲った。2週間前から相次いでいるパレスチナ人による暴力事件で、銃が使われたのは今回が初めて。
医療関係者と警察によると、この襲撃で60歳の男性を含むイスラエル人2人が死亡、さらに10人前後が負傷した。実行犯2人のうち、1人は射殺され、もう1人は負傷した。
同じく東エルサレムのユダヤ教超正統派地区でもほぼ同時刻に、パレスチナ人がバス停にいた人々に向かって車で突っ込んだ後、車を飛び出し、刃物で人々に襲い掛かった。
医療関係者によると、少なくとも1人が死亡、8人が負傷。警察によると、犯人は射殺された。
2つの事件が同時に計画されていたかどうかは不明。警察は、実行犯3人がいずれも東エルサレムのジャベル・ムカベル(Jabel Mukaber)地区出身だったと明かしている。
■「怒りの日」
パレスチナ人らはこの日を「怒りの日」にするよう呼び掛け、アラブ系イスラエル人もパレスチナ人らを支持するゼネストを呼び掛けていた。
パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)に加え、ベツレヘム(Bethlehem)やラマラ(Ramallah)に近い検問所を含むヨルダン川西岸(West Bank)の各地で激しい抗議行動が行われた。
ラマラ近くの検問所では、イスラエル側からの発砲で少なくともパレスチナ人1人が死亡。ベツレヘムでも28歳のパレスチナ人が死亡した。またパレスチナ人医療関係者によると、同日イスラエル側からの発砲でパレスチナ人少なくとも15人がけがをしたという。
刃物を使った一連の襲撃や暴力的なデモが頻発する中、情勢は不安定化の一途をたどっており、全面的な第3次インティファーダ(パレスチナ住民による反イスラエル闘争)の懸念が広がっている。
1987~1993年の第1次、また2000~2005年の第2次のインティファーダでは、イスラエル対パレスチナの暴力行為がほぼ連日のように発生し、数百人が犠牲になった。
ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の報道官は、13日の事件を「英雄的」と表現するとともに、「インティファーダが激しさを増している」と語った。(c)AFP/Joe Dyke