南スーダン「レイプキャンプ」の実態、女性数千人が性奴隷に
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■組織的な拉致とレイプ
ヌヤベナさん(30歳・仮名)の経験は典型的だ。子どもたちと暮らしていたラブコナ(Rubkona)郡の村は今年4月、兵士の襲撃を受けた。男性と少年は撃たれ、家々は略奪・放火され、女性や少女は連行された。ヌヤベナさんは、隣接する2つの村で拉致された40人のうちの1人だった。5人の子どもたちと引き離されたことについて語り始めると、ヌヤベナさんの目には涙があふれた。
女性らは、マヨム(Mayom)郡に連れていかれた。ヌヤベナさんは、政府軍のスーダン人民解放軍(SPLA)側と同盟関係にあるブル・ヌエル(Bul Nuer)部族の民兵組織の拠点で拘束された。2013年12月以来、反政府勢力との戦闘を続けているSPLAは、今年4月から7月にかけ、この民兵組織と共同で攻勢を実施した。国連(UN)の調査官らは8月の報告書でこの攻勢を「焦土作戦」と表現している。
南スーダンでは、国土の広範囲が戦闘と洪水によって立ち入りが難しくなっており、ユニティ州は援助隊から「情報のブラックホール」と呼ばれる状況に陥っている。ある人権問題調査員によると、多くの女性が拉致されたマヨム郡は「何が起きているのか、誰にも分からない」状態にある。
また、ある軍事専門家の推測によれば、攻勢の最中に拉致された女性は「数千人」に上る。同調査員は「女性の拉致は組織的に行われているようだ。(拘束期間は)1日か、それ以上、あるいは永久に続くかもしれない」と語った。
逃れることができた人々は、自身の経験を、感情のない静かな声で回想する。悪夢にうなされ、まだ捕らわれの身であると思い込み、恐怖におののいて目覚める人々もいる。
ヌヤベナさんは、拉致された後、日中は略奪してきた物や食事を運んだり、水くみや農作業をさせられたりしていた。日中は常に見張られ、夜になると他の女性たちと一緒に縛られた。「兵士はセックスをしたくなるとやって来て、私たちの縄をほどいて連れていった。終わったら私たちを元の場所に連れ戻し、再び柱に縛り付けた」。ヌヤベナさんは、両肘を後ろで伸ばして縛られていた姿勢を再現しながら語った。一晩に4人の男にレイプされるのは日常茶飯事だったという。
労働を拒んだり、レイプに抵抗したりした女性たちは姿を消した。「朝になって、彼女たちがいなくなっていることに気付くんです」。4月に彼女と一緒に連れていかれた40人のうち10人が、そのようにしていなくなったという。