アフリカは30年までに自然エネルギー生産4倍増可能、IRENA
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【10月20日 AFP】国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は今月、再生可能エネルギー資源は、2030年までにアフリカの電力需要の約4分の1、現在の4倍以上を満たせる可能性があるとする報告書を発表した。
報告書「アフリカ2030(Africa 2030)」の中でIRENAは、2013年に再生可能エネルギーがアフリカの電力需要に占める割合は5%だが、今後15年間でその数字は22%に達する可能性があるとし、クリーン電力移行への「工程表」を示した。
経済成長は勢いを増しているが、エネルギー不足が問題となっているアフリカについてIRENAは、開発のペースと需要に応えるためには、アフリカにおけるエネルギー生産は倍増、発電量は3倍になる必要があると指摘した。
「アフリカには、バイオマスや地熱、水力、太陽光、風力といった形で、世界でも最も優れた再生可能エネルギーの資源がある」とIRENAのアドナン・アミン(Adnan Amin)事務局長は報告書で述べている。
太陽エネルギーは、アフリカ大陸全体で開発可能で、バイオマスや水力発電は中部と南部地域で利用できる可能性があるという。
風力は主に北部や東部、南部で可能性があり、東部の大地溝帯(Great Rift Valley)には莫大な地熱エネルギーが眠っているとされている。
IRENAは、技術的なコスト低下により、再生可能エネルギーが最も経済的な選択肢になるケースが増えているようだとしながらも、配電のためのインフラの開発やその能力拡大には、2030年までの間、1年につき平均700億ドル(約8兆4000億円)の投資が必要としている。
IRENAは、従来とは異なるバイオマスエネルギーの可能性も強調。近代的な再生可能エネルギーを使った調理方法に移行することで、熱効率の悪い従来の調理用コンロの使用を60%以上減らすことができ、さらに、住宅内の空気の質が改善され、医療費削減につながるなど、年に少なくとも200億ドル(約2兆4000億円)節約できると述べている。
IRENAは、規制の枠組みの改善や投資の増加などを通して、再生可能エネルギーの利用を促進するような環境を作るよう政府当局に求めた。(c)AFP