【10月11日 AFP】フランス北西部バイユー(Bayeux)で10日、「バイユー戦争報道特派員賞(Bayeux-Calvados)」の受賞者が発表され、シリア内戦やウクライナ危機、第2次世界大戦(World War II)以降最悪となっている欧州の移民問題を伝えたジャーナリストが各賞を受賞した。

 賞のうち2部門はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦略や残虐な行為について取材した記者に授与された。

 報道記事部門では、シリアとイラクにおけるISの戦略の影の立案者とされる人物に関して記事を書いた、独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)のクリストフ・ロイター(Christoph Reuter)氏が受賞した。

 長編映像部門では、イラク北部で昨年、少数派のヤジディー教徒がISに包囲されたシンジャル(Sinjar)山を取材し「Surrounded by the Islamic State(イスラム国に包囲されて)」を撮影した、ドイツとフランスの共同出資テレビ局「アルテ(Arte)」のサビエル・マンツ(Xavier Muntz)氏が受賞した。

 写真部門では、写真通信社シパ・プレス(Sipa Press)の米国人報道写真家ハイディ・レビーン(Heidi Levine)氏によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に関する報道が受賞した。

 ラジオ部門では、英国放送協会(BBC)のエマ・ジェーン・カービー(Emma-Jane Kirby)氏による、移民たちを救ったイタリア人の眼鏡製造業者に関する報道が受賞。テレビ部門では、衝突が続くウクライナ東部ドネツク(Donetsk)で取材し「ロシアン・ルーレット(Russian Roulette)」と題された報道映像を撮影したバイス・ニュース(Vice News)のミハイル・ガルツォフ(Mikhail Galutsov)氏が受賞した。

 1994年に創設されたバイユー戦争報道特派員賞は、紛争とその影響を受けた人々や、自由と民主主義をめぐる戦いについての報道を表彰する。(c)AFP