【10月11日 AFP】ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)米大統領暗殺未遂事件で、大統領の命を救った「真の英雄」とされる元大統領警護隊(シークレット・サービス、US Secret Service)のジェリー・パー(Jerry Parr)氏が9日、うっ血性心不全のため、自宅がある首都ワシントン(Washington D.C.)の近郊の病院で死去した。85歳だった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が伝えた。

 事件は1981年3月30日、ワシントンのヒルトン・ホテル(Hilton Hotel)の外で起きた。パー氏は銃の発砲を受けて直ちにレーガン大統領を待機していた車に押し込んだ。現場からの移動中には同大統領が負傷していることに気付き、車を近くの病院に向かわせた。

 パー氏が後に語ったところによると、同氏はレーガン大統領を車内に押し込んだ際にけがをさせたと考えていたが、病院で銃弾が大統領の胸部に命中していたことが判明したという。当時ファーストレディーだったナンシー・レーガン(Nancy Reagan)夫人は、とっさの判断が大統領の命を救ったと評価した。

 訃報を受けてナンシー夫人は、パー氏が「わたしにとって真の英雄の一人」だったとコメントした。(c)AFP