【10月10日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が蜂起を呼び掛ける中、境界線付近でのイスラエル軍との衝突で9日にパレスチナ人6人が死亡したことから、1週間に及んでいる両者間の戦闘がガザ地区内まで広がっている。

 イスラエル軍は「9日に境界のフェンスにパレスチナ人が押し寄せた。緩衝地帯に1000人の暴徒が入り込み、手りゅう弾や石を投げ、タイヤを燃やした。数発の威嚇射撃を行った後、彼らの前進を阻止し、暴動を散らすため扇動者たちに向けて発砲した」と発表した。この中で15歳の若者を含むパレスチナ人6人が死亡、80人が負傷し、14年夏以降では最多の死者を出す衝突となった。

 ここ数日、ガザ地区と隣接する東エルサレム(East Jerusalem)とパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)ではイスラエルの治安部隊とパレスチナ人の衝突などが起きていたが、ガザ地区の大半はこれまで平穏だった。しかし10日朝、ガザ市(Gaza City)東部と、イスラエル境界沿いのハンユニス(Khan Yunis)でも衝突が発生。その数時間後にはガザ地区から発射されたロケット弾がイスラエル南部に着弾した。このロケット弾による負傷者はなかった。(c)AFP/Adel Zaanoun