仏列車襲撃阻止の米兵、バーで刺され重傷 女性助けトラブルか
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【10月9日 AFP】今年8月、フランス・パリ(Paris)行きの国際高速列車内でテロ攻撃の阻止に貢献した米国人3人のうちの一人で、空軍兵士のスペンサー・ストーン(Spencer Stone)さん(23)が、地元カリフォルニア(California)州で、刃物で刺され重傷を負った。当局が8日明らかにした。バーで嫌がらせを受けていた女性を助けようとしてトラブルに巻き込まれたとみられる。
同州サクラメント(Sacramento)市警察幹部が記者会見で発表したところによると、ストーンさんは友人らとバーを出ようとしていたところ、男のグループとけんかになり、その際に刺された。
けんかを目撃した通行人から午前0時46分に通報があり、警察官らが駆け付けたところ、胴体上部に複数の刺し傷を負っていたストーンさんを発見したという。
ストーンさんは近くの病院に運ばれた。警察幹部は「命に別条はないとみられるが、重傷を負っており、現在治療を受けている」と明かすと同時に、事件への関与が疑われるアジア系の男2人の行方を追っているとした。
捜査関係筋が匿名でAFPに語ったところによると、ストーンさんはバーの外で男のグループに嫌がらせを受けていた女性を助けようとして刺されたとみられる。女性がストーンさんの同伴者だったかどうかは不明。ストーンさんは女性3人と男性1人と一緒で、うち数人は飲酒していたが、ストーンさんも飲酒していたかどうかは分からないという。
警察幹部は、事件はテロではなく、ストーンさんとその友人2人がフランスでの休暇中に阻止した列車内での襲撃未遂事件にも無関係だと述べた。
ストーンさんは8月21日、重武装したアイユーブ・ハッザーニ(Ayoub El Khazzani)容疑者(25)を取り押さえた際、深い切り傷を負った。同容疑者は拳銃とアサルトライフル、弾丸270発で武装しており、列車内の乗客らの殺害を企図していた容疑が持たれている。サクラメント市は数週間前、3人をたたえる「英雄パレード」を開催した。
ストーンさんと州兵のアレク・スカラトス(Alek Skarlatos)さん、学生のアンソニー・サドラー(Anthony Sadler)さんには、フランスの最高勲章レジオン・ドヌール(Legion d'Honneur)が贈られた。
また3人は、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領からホワイトハウス(White House)へ招待された他、ストーンさんは国防総省からパープル・ハート章(Purple Heart)と空軍勲章も受け取った。
ストーンさんはつい先日、カリフォルニア州トラビス(Travis)空軍基地での勤務に復帰したばかりだった。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT