鄭夢準氏がFIFA会長に1億ドルの訴訟を示唆―「ブラッター氏は偽善者でうそつきだ」
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【10月8日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の次期会長選への出馬を表明している鄭夢準(Mong-Joon Chung、チョン・モンジュン)氏が7日、ジョセフ・ゼップ・ブラッター (Joseph Sepp Blatter)会長を「偽善者でうそつき」と批判し、同会長を「横領罪」で告訴して1億ドル(約120億円)の支払いを求める用意があることを明らかにした。
FIFAの倫理委員会から自身が処分を受ける可能性を示唆した鄭氏は、来年2月に実施されるブラッター会長の後任を決める会長選への出馬が阻止された場合、さらなる法的措置を講じることを示唆している。
2011年までの17年間、FIFAの副会長を務めた鄭氏は、ブラッター会長が自身の給与を公表せず、許可なく報酬を受け取るなどの「秘密主義的」な手法を批判している。
FIFAの本部があるスイス・チューリヒ(Zurich)ですでに弁護士を雇っていることを明かした鄭氏は、「これらの理由により、ブラッター氏を横領罪で告訴する予定だ」と語った。
ブラッター会長は、FIFAの運営に関する疑惑で、すでにスイス当局の捜査を受けている。
英ロンドン(London)で開催された国際会議に出席した鄭氏は、「私がブラッター会長に対して要求する金額は、彼がFIFAに与えた損害に応じたものだ」と主張している。
鄭氏は、2006年にマスターカード(MasterCard)とのスポンサーシップ契約をめぐる和解のため、FIFAは最低でも1億ドルを費やしたと主張しており、自身の要求する損害額は「それ以上の額だったに違いない」としている。
今年8月に会長選への出馬を表明して以来、鄭氏はブラッター会長を激しく批判している。
鄭氏はまた、ブラッター会長が欧州サッカー連盟(UEFA)を筆頭に、各大陸連盟の選挙に「繰り返し干渉した」と主張している。
FIFA副会長だった当時、鄭氏はFIFAのブレザーを着ることに「誇りを持っていた」が、「今となっては(FIFAにいることで)笑われ、批判されるだろう。FIFAは恥の象徴となった」と語っている。
「簡単に言ってしまえば、ブラッター氏は偽善者でうそつきだ」
鄭氏は6日、2022年のW杯招致における韓国のロビー活動により、FIFAの倫理委員会から19年間の資格停止処分を科せられる可能性があることを明かしている。
この件については、すでにFIFAによって解決済みの事案であったと主張する鄭氏は、今回の動きがブラッター会長による新たな選挙妨害だとしている。
鄭氏は、UEFA会長のミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏、ヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子らとともに、次期会長選に立候補している。(c)AFP