【10月8日 AFP】米国務省は7日、ロシア軍がシリア領内でこれまでに行った空爆などの軍事攻撃の「90%以上」が、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の過激派組織ではなく、穏健派の反体制派を対象としていたと発表した。

 国務省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は「われわれが見てきた攻撃の90%以上は、ISIL(ISの別称)やアルカイダ系テロリストに対するものではなかった」と述べ、「攻撃対象は主に、シリアのより良い未来を願い、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の政権維持を望まない反体制派組織だった」と語った。

 内戦が続くシリアで露軍が行う空爆の影響について、米当局が具体的数字を挙げたのは初めて。ロシア政府は、シリアで行う空爆の対象はISなどの「テロ集団」だと主張している。一方、穏健な反体制派を支援する米政府は、ロシアの行動は火に油を注ぐものでしかなく、アサド政権を利するものだと主張し続けている。(c)AFP